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相続税の物納
相続税は原則金銭での納付となっています。
ですが、相続財産が不動産ばかりで現金がなかった場合、税金を納めるのが困難になってしまいます。
そこで、相続税については物納が認められています。
物納の許可を受けるためには、延納によっても金銭で納付することが困難な事由があることが要件です。
また、必要書類を提出期限までに税務署に提出することが必要です。
注意点は、物納に不適格な不動産があり、担保のついている土地や境界が明らかでない土地などが該当します。
こういった土地では物納ができません。
また、法令違反の建築物や建築基準法上の道路に接していない土地などについても、
優先順位が下がりますので、注意が必要です。
葬式費用(相続財産から控除)
相続税を計算する際には、すべての相続財産が対象となりますが、
相続人及び包括受遺者が負担した葬式費用は遺産総額から差し引きます。
つまり相続税の課税対象となりません。
対象となるのは、葬式や葬送、火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用や
葬式の前後に生じた費用で通常葬式にかかせない費用(例えば、お通夜などにかかった費用)です。
間違えやすいのは、香典返しや初七日、法事などに費用や
墓石や墓地の買入れのためにかかった費用でこれらは遺産総額から差し引く葬式費用には該当しません。
ですが、墓地や墓石、仏壇、仏具などは祭祀財産と言われ相続財産に含まれません。
そのため相続税が課税されませんので、生前にお墓を立てておくと現金が減るため節税効果が期待できます。
(ただしローンで購入して完済前に亡くなった場合、ローンの残額は債務控除の対象にはなりません。)
再婚の場合の相続
さて、先日知り合いから相続の相談をもらいましたので、少しご紹介です。
相談者は42歳女性、再婚で子供1人(元夫との子)がいます。
相談内容は、元夫が亡くなった時と再婚した夫が亡くなった時の子供への相続についてです。
色々と思うところがあるようで、相続のことだけではないのですが、ひとまず、相続についてです。
仮に元夫が亡くなった場合、通常の考え方であれば相続人にこの子供が含まれます。
これは元夫が再婚をしていて子供がいたとしても、この女性のお子さんは相続人になります。
再婚した夫が亡くなった場合は、この女性の子供は含まれません。
もし相続人としたいのならば、養子縁組をすると実子と同じになりますので相続人となります。
養子縁組は、普通養子縁組と特別養子縁組があります。
普通養子縁組は、実親との縁は残りますので実親と養親の双方の相続人となります。
逆に、特別養子縁組は実親との縁を切りますので、養親の相続人となります。
この女性の子供への相続権は元夫または養親または双方から得ることができますが、
養子になった場合は現実的には他にも課題が出てくるため、簡単に決めれることではありません。
ひとまず、相続権と言う意味ではこういった回答になりました。
相続と贈与と配偶者
配偶者には「配偶者控除」という特例があります。
これは、財産の維持形成に対する配偶者の内助の功や今後の生活の保障などを考慮して設けられているものです。
配偶者控除の適用を受けると、配偶者が実際に取得した正味の遺産額が1億6,000万円までか、
遺産額の法定相続分に相当する金額までは相続税はかかりません。
また、贈与税についても「配偶者控除」という特例があります。
これは、婚姻期間が20年以上で居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、
基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除できるという特例です。
このように配偶者については、大きな優遇措置があります。
これだけを見ると相続対策としても配偶者控除を大いに利用したいところですが、
相続財産の額によっては、双方を利用するデメリットもありますし、
配偶者に相続税がかからない状況にしたとしても、将来、配偶者が亡くなった場合の相続(二次相続)時に、
相続人(一般的には子)については、配偶者控除のような軽減措置がありませんので、
相続税負担が重くなってしまうことも考えられます。
個々のケースによって最善の方法がありますので、事前に準備しておくことが望ましいと思います。
相続人
改めて書くことでもないかもしれませんが。。。
相続人とはいったい誰のことでしょう。
相続人とは、相続によって財産や権利義務が承継される人のことで法定相続人と呼ばれる人です。
法定相続人とは、被相続人の配偶者のほか、子ども(直系卑属)、父母(直系尊属)、兄弟姉妹(傍系血族)です。
また相続人のほかにも相続財産を取得する受遺者と呼ばれる人もいます。
法定相続については、すべての血縁関係者が相続人になれるわけではなく優先順位が決められています。
被相続人の配偶者は順位に関係なく相続人になります。
配偶者以外は、第1順位が子ども(直系卑属)、第2位順位が父母(直系尊属)、第3位が兄弟姉妹(傍系血族)になり、
上位の相続人がいる場合は、下位の人は相続人にはなれません。
また受遺者については、遺言によって遺産が分与され遺言書の内容が優先されるので順位は関係ありません。
ちなみに、遺言は遺言者の意思により自由に決めることができます。
自分が被相続人となった場合のことや相続人になった場合のことなど、
早くから準備や確認をしておくことが良いと思います。