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昔の話
昨日は注文住宅について書きましたが、注文住宅で昔のことを思い出しました。
以前、建築会社に勤めていて建築の請負を担当していたことがあります。
その時のお客様で、少し困ったことがありました。
お客様の諸事情と時間的な問題のため、
他の業者では対応しきれないこともあり、こちらに白羽の矢がたったのだと思いますが、
プラン作成からご契約までかなり短い期間で行ったことがあります。
そのため、プランについては打ち合わせの時間や検討する時間も少なく、
正直、詳細な打ち合わせのもと、ご契約という状況ではなかったと思います。
ただし、こちらのスタンスとしては軽微な変更については、
柔軟に対応できましたので、大枠さえ決まっていれば特段問題はありませんでした。
ところが、契約も終わり、その後、何度かの打ち合わせを行い、
最終確認という段階になって、プランへのご意向を大幅に変更したいというお話が出てきました。
その計画は、当初とは全く違う計画となりますので、
ご契約内容とも違ってくるため、仕切り直しとなりました。
新たな計画に基づいて再度のご提案とさせていただきましたが、
金額面でお客様のご希望に添えることはできず、結果、解約となったことがございます。
お客様としては、諸事情も時間的な問題もこちらが対応したことで解消できましたので、
むしろ少し余裕が出来たのだと思います。
こちらとしては、残念な結果となり、苦い思い出となりましたが、
お客様の事情を考えると、やっぱり、何かに追われている状況では、
全体像が見えているつもりでも、目前の問題をクリアすることに注力してしまい、
その先のことについては見えてなかったのだと思います。
その後もその方とお話しする機会があり、無事に建築できたと聞きました。
参考までにと、計画と費用について聞いてみたところ、
計画については、こちらがご提案したものを最終調整したような内容で、
費用については気持ちだけではクリアできないほどの差がありました。
会社ごとに建築費が違いますから、そういうこともあると思います。
でも、その後にお客様からご連絡をいただけたことや、
計画はこちらのプランとほぼ同じ内容で建築されたことを考えると、
試合には負けたけど勝負には勝ったのかなと思えました。
人生をかけて買う「家」ですから、その方は最善を尽くされたのだと思います。